ミネラルの一種であるクロムは、耐糖能を改善してインスリンの効果を高めるとして、かつて医学界でも大きく注目を集めた成分です。
欧米を中心に研究開発が続けられ、交感神経や副腎髄質に働きかけてノルアドレナリンなどを刺激することでエネルギー消費効率を高めたり、善玉コレステロールを上昇させる役割があるということが判明していきました。
簡単に表すと、インスリンによって血中の糖分を細胞に吸収させる働きを担っている成分と、深い関わりがあるミネラルです。
このクロムは一般的に体内で不足することはないと言われていますが、加齢と共に減少していきます。尿によって他のミネラルと一緒に排出されることから、糖尿病の症状によって尿が増えるとクロム欠乏になる恐れがあり、インスリンの働きが低下すると考えられています。
しかしこのクロム、残念ながら医薬品としての道はほぼ断念されつつあるようです。
最大の理由は、医薬品として即効性で血糖値を下げるには、かなりの濃度が必要になると判明したことです。研究では1日あたり500mcgから1000mcgが必要とされていますが、400mcgを超える濃度を投与すると副作用のリスクが高まると言われています。特に大量摂取した場合はじん臓へのダメージが強く、発ガン性も指摘されています。
一方、サプリメントとしては不足分を補うという目的で、危険性の低い低濃度が配合されている製品が主流です。そのため年間単位の長い期間を続ける必要があるとされていますが、他のビタミンやミネラル類と共に補給していくと効果が期待できるようです。