食事療法とともに、糖尿病の2大治療と言えるのが運動療法です。運動療法というとダイエットや筋力・心肺機能の強化と思いがちですが、ただ身体を動かせば良いというものではなく、糖尿病の運動療法には少し特殊な目的があります。
もちろん肥満解消のために痩せることも大切ですが、真の目的である「インスリン抵抗性」の改善を念頭において運動しなければ、大きな効果は得られないようです。
「インスリン抵抗性」とは、血糖値をコントロールするインスリンが効きにくくなってしまうことを指し、せっかくインスリンが分泌されても血糖値が下がりにくい状態になります。原因は相対的なエネルギー過剰状態が長く続いたことで、解消するためには運動によってエネルギーを燃焼してやることが大切になります。
そのためには、無酸素運動のような急激な運動よりも、たくさんの酸素を取り込みながら全身を動かす有酸素運動が効果的と言われています。筋肉に蓄えられたエネルギーを消化する無酸素運動に比べ、有酸素運動では運動を始めてから10分ほどで血中のブドウ糖がエネルギーとなり、20分後ほどから中性脂肪の分解が始まります。全身の血流が良くなることで細胞の代謝量も上がり、臓器や自律神経の動きも活発になります。
ただし運動療法には注意も必要です。高齢や過度の肥満で運動そのものが負担になる場合や、血糖値250以上の場合は様子を見ながらおこなった方が良いようです。
手軽にはじめられる有酸素運動は、ウォーキングとジョギングです。特に一番初めに運動療法をするならウォーキングをおすすめします。普段よりも少しだけ手足を大きく動かして歩くだけで良く、慣れてきたらジョギングを取り入れていけば良いようです。
体力に自信があるなら水泳やサイクリングといった、もう少し強めな運動があります。用具や場所が限られてしまいますが、大きな効果が得られます。屋外だと天候が気になる場合は、テレビの前でできるエアロビクスなどが手軽です。
どの運動を選んでも、しっかりと準備運動をした上で30分ほど続けることが大切です。そして何よりも、ずっと続けていけるように楽しくできる運動を探しましょう。
有酸素運動の効果は24時間ほどしか持続せず、1週間もすると元通りになってしまうそうですから、最低でも1日置きに週3回はおこなうと効果的と言われています。